2006年10月30日

スクリーンショットと著作権

無断転載被害についての証拠とするため、私はスクリーンショットを取ることをオススメしています。これは、無断転載に限らず、荒らしでも何でもあらゆるネットトラブルにおいて有効であると思います。

スクリーンショットは改変が可能なので、大した証拠能力を持ちません。HTMLファイルも同じです。裁判など本格的な場所で証拠を示すには、サーバー管理会社からログを提示してもらうしかありません。
しかし、事情を他者に説明するとき、またサーバー管理会社からログを提示してもらうときのことを考えると、ないよりはあった方がいいです。そう、いうなれば「証拠(仮)」のようなものです。


さて、話を元に戻しまして。
そのスクリーンショット撮影の際、忘れてはならないのは、「スクリーンショットで撮影する対象は、人の著作物である」ということです。

そこで考えてみたいのですが、これらスクリーンショットを撮る行為、さらにそれを第三者に開示する行為について、著作権法上どのような問題があるのでしょうか? 私たちは何に気をつけなければならないのでしょうか?


ここでは、いくつかのQ&A方式で解説をしようと思います。


■Q1.
スクリーンショットを撮ること自体は、著作権侵害になりますか?


いいえ。著作権侵害にはなりません。

スクリーンショットをとることは、「著作物の複製」となります。
しかし、スクリーンショットを撮って自分のパソコンに保存する、この段階では「私的使用のためのコピー」(第30条)と解釈することができるため、著作者に了解をとる必要はありません。

ただし、この私的利用の範囲を超える場合は、著作者の了解が必要です。
ネット上にアップロードする行為も、複製(公衆送信)とみなされますので、著作者の了解が必要です。(例え、誰かにアドレスを教えていない、閲覧者がゼロであっても、アップロードした時点で著作権侵害行為となります)


■Q2.
無断転載現場のスクリーンショットを、サイトに載せる予定です。
被害者さんの情報を募ったり、被害者さんに分かりやすく現場の様子を伝えるためのものにしたいのですが、事前に了解が得られない場合は、これも著作権侵害でしょうか?


あなたの考え方次第です。

原則として、著作物の複製許可は事前に得るのが理想ではありますが、このように事前に了解を得ることが困難な場合もあります。
また、このスクリーンショット掲載行為は著作者の利益を図るものであり、著作者からの了解を得ることができる可能性は極めて高いと考えられます。
このような判断は法的に下されるものではありませんが、一般常識に基づく感覚として「事後であっても著作者の意向に背くことはないだろう」と考えることができます。

つまりは、「事後了解でも大丈夫だろう」という考えのもと、これらの行為を著作権侵害ではない、と判断しているわけです。
しかしながら、これらは絶対ではありません。なので、著作権侵害であるか侵害ではないかの判断は、自分自身で判断し、自分で責任を負わねばなりません。


■Q3.
無断転載現場のスクリーンショットを、サイトに載せる予定です。
転載日や転載者、転載サイトの様子などを沿えて、現場の様子を分かりやすくまとめて人に伝えたいと思っているのですが、著作者の了解は必要でしょうか?


掲載の仕方によっては、引用とみなすことができます。
なので、著作者の了解は必ずしも必要ではありません。

引用とは、自分の著作物の中に「添える」目的で、他人の著作物を使うことを指します。あくまでも自分の著作物が「主」であり、そこに含まれる他人の著作物のみで構成されてはいけません。

引用の定義について、著作権法(第32条第1項)には以下のように定められています。
(1)主従関係が明確であること
(2)引用部分がカギ括弧などで明確になっていること
(3)引用する必要性があること(装飾性などは対象外)
(4)引用部の出所を明示すること(表示しない場合は罰則が科せられます)

これらの条件に適合する場合は、転載ではなく「引用」として、著作者の了解を得ずに著作物を利用することができます。
ただし、自分がしようとしている行為が本当に「引用」としての条件に合致するかどうかの判断については、自分で責任を負わなければなりませんのでご注意を。


■Q4.
警察に、無断転載事件を告発するつもりです。
あらかじめ撮ってある無断転載現場のスクリーンショットを、証拠として警察の方に見せようと思っているのですが、これも第三者への開示ということで、私的利用の範囲を超えますよね?
著作者の了解を得なければ、著作権侵害となってしまうのでしょうか? 中には、加害者の発言を含むスクリーンショットもあるのですが。


いいえ。著作権侵害にはなりません。

理由は、それを見せようとしている人は限られた人数の警察官だから。
つまり、「公衆」「不特定多数の人」に見せようとしているわけではないので私的使用の範囲から外れない、ということです。

また、著作権法第42条に定められている「『立法』『司法』『行政』のための内部資料としてのコピー」としての例外事項が適用されます。警察の捜査は「行政」の範疇にあるそうです。



もし他に質問などあればお寄せください。
posted by 世梨子 at 19:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 対処法の検討 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Dビデオのようなものの、スクショを撮って、LINEなどで送るのは著作権侵害になるのでしょうか?
Posted by at 2014年04月26日 07:53
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